2007/02/02 (Fri) アンダンテ

(創作短編:観る人によってはBL)


 音色に誘われた。俺としては、珍しい方だ。こんなことがあるなんて。
 音楽は、嫌いでもないけど好きでもない。たまに、メジャーな邦楽を適当に聴く程度だ。音楽に特別な興味なんてなかったし、ただ風に乗ってやってきたピアノの音色に誘われて寄り道をするなんて、自分が一番驚いている。
 今日はどうかしているらしい。
「優等生がこんなとこで何してんだよ」
「…ヒミツにしといてよ」
 外崎司信は唇に人指し指を当てて笑いかけた。…かわいこぶるな。
「放課後の多目的ホールのピアノなんて誰も使わないじゃん。だから、たまに鍵あいてるときに勝手に弾いてんの」
「あそ」
 外崎はピアノを弾く手を止めてしまった。沈黙が流れる。
 帰ろうとは思わなかった。
 単純に、外崎に興味がわいたからだ。
 外崎は顔良し頭良し運動神経良しの典型的な優等生で、学校に遊びに来てるような俺なんかとは縁がないはずだった。
「美沢は? 帰らないの?」
「…んー? ……あー…。」
 はずだった、けど。
「…お前さ、他に何か弾けんの?」
「何か? クラシック…じゃない方が良いか。邦楽?」
 頷く。外崎は少し考えた後、軽やかに鍵盤に指を滑らせた。
 紡ぎ出される旋律。ただのピアノから、さっきとは全く違うメロディが流れる。ただのピアノ。の、はず。
「すげ…」
 それ以上何も口にすることは出来なかった。
 音が生きてる。
 今まで、音楽に感動したことなんて無かった。…けれど、これは。
 演奏が終わる。鍵盤から指が離れ、その腕は膝の上に揃えられた。外崎と視線がかち合う。
「……すげぇのな」
「それはアリガトウ」
 外崎はただクスクス笑っているだけだった。
 窓から日が射しこむ。その日にあてられる、白と黒の鍵盤。白い指。
 興味がわいたのは。
「また、来てもいいか?」
 外崎は一瞬、驚いたような様子を見せたが、次にはさっきより一層笑みを深めて。
「…いつでもおいで!」

***
「観る人によってはBL」と一応表記はしましたが…まぁあんまりそんなでもないよね。えへ。
外崎と書いてとのさきです。司信と書いてしのぶです。
感覚的にはカウンセラー部初代な感じで書いたんですが。どうだろ。

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はじめまして。 

志貴さんはじめまして。
ゆんみんと申す者です。
ブログランキングから参りました。
連載小説を読む前に短編を拝見させていただきました!

イメージイラストも拝見しましたけど、なんかこういうほのぼのとしたBL風味良いですね。
とっても素敵です。
ピアノの音に惹かれたのもそうですけど、きっと主人公は外崎君に興味をもったって事は、惚れちゃったって事でしょうか!?どきどき。
それだったら良いな〜なんて勝手に妄想してしまいました。

ではまた訪問させてくださいませ。
失礼しました。

2007/03/26 14:00 | ゆんみん [ 編集 ]


初めまして! 

ゆんみんさんいらっしゃいませ、管理人の志貴ヒイロです。
ご訪問どうも有難う御座いますv

ほのぼのBLお気に召していただけたようで…!
アンダンテはなるべく決定的なことを書かないように〜と思って書いてたので色々妄想(笑)して頂けると嬉しいですv
でも私も個人的にはそういう展開だと思ってます!

ではでは、コメントどうも有難う御座いました!
お待ちしております☆

2007/03/27 15:29 | 志貴(管理人) [ 編集 ]


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