2007/04/07 (Sat) ガラスに映る空の青 4

(創作シリーズ:BL。苦手な人・解んない人は見ないようにー。)


 ――今のところ、ヤツは行き帰りにしか現れない。まぁ当然だろうな、校内に入ってくることは無いだろうし…。あと、行き帰りっつっても学校から駅までの間だけだ。学校から三駅も離れてるこの公園まで来ればついてこないから。

 カズイは昨日、そんなことを言っていた。そういうわけで、僕が『高木零緒』の恋人のフリをするのは学校から駅の間だけだ。そして僕は今、朝の通学ラッシュの中を、『高木零緒』と一緒に歩いている。こうして一緒に居ると、次々と小さな疑問が湧いてきた。それを、小声で隣を歩く『高木零緒』に問いかける。
「そういえばさ、犯人の顔とかわかるのか? どの辺までついてきてるってのがわかるんなら、そのくらい…」
「…いや、顔までは見えない。そんなに露骨に見ることも出来ないし、俺は全部気配で察してる」
 ………気配って…。ずいぶんと野生的だな、オイ。その気配が信用できるのかどうかはわからないが、まぁ今は気にしないことにしよう。
「あと、こうしてお前が金城東に通ってる間は妹はどうしてるんだ? 榊第二に通ってるのか」
「……まぁ、そんなところ。」
 曖昧な答え方だ。僕は眉を顰めた。こう答えてはいるが、実際は妹はずっと家に居たりするのかもしれない。ここまで過保護になっておいて、心配の対象である妹をたった一人で男だらけの環境に放り込むようなことをするとは、思えないからだ。
 そうなると、カズイは榊第二の方をずっと休んでいることになる。…出席日数なんかは、大丈夫なのだろうか。
「犯人、諦めさせるとか言ってたけど…捕まえはしないのか?」
「…誘き出せたら、それも、する。つか、そっちの方が今後安全だから、出来るならそうしたいと思ってる。」
 随分と妹思いなこった。過保護な感じがしないでもないが。
 駅から歩いて、登校する生徒でごった返す通りまで出た。金城東の生徒ばかりなのだが、この中に犯人とやらはいるのだろうか。ちら、と『高木零緒』を見やる。もうすでに演技に入っているのか、清楚そうな顔をして静かに歩いていた。本当に、女の子みたいだ。男のくせに。
「………今、居るのか?」
「居るな。ちょっと離れた茂みの中、かな」
 そこまで判るのか。大したもんだ。
 カズイの言葉をきいて、気づかれない程度にそっと後ろを見やった。五メートルくらい離れた茂み――フェンスで区切られた、壁のように高く伸びた沢山の枝――の中で、僅かに影が揺れた気がした。
 …居る。
「…ヤツは、今まで危害を加えてきたことはあったのか?」
「今のところは、ない。零緒も尾行られてるだけ、とだけ言ってたし、俺が零緒のフリをしてここを通るようになってからも、あっちはただこっちをじっと見つめてるだけだ」
 いつキレるかわからないな、と思った。犯人もその目的もわからない以上、今は下手に動かないほうが良いだろう。これからどうするのかは、学校に着いてからでも話そうか。
 基本的に、学校では恋人のフリをする約束はしてない。けれど、こうして登校を共にしているのだから、学校でもある程度言葉を交わすくらいなら別に怪しまれないだろう。
 …学校に着くと、ちょっと厄介なヤツが居るんだが…。それはまた、後で気にすることにしようか。


〈第五番へ〉
 

***
割とハイペースで書いてる気がするのですが、話が全然進みません。アッシュカフェより長くなるかな…。
そして、未だに「僕」の名前が出てきません。もういっそ出さなくても良いような気さえしてきました。
…出せる隙があれば、出そうと思います。

ガラスに映る空の青 | trackback(0) | comment(0) |


<<バトントントン | TOP | バトン>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://fsash.blog91.fc2.com/tb.php/36-a7476d96

| TOP |

プロフィール

志貴ヒイロ

Author:志貴ヒイロ

 
じゃんく
落書きしてます。

web拍手
お礼画面現在5種♪(2007/5/5更新*BL注意)

ブログ検索にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ
ブログランキング参加中。こちらもついでにクリックしていただけると喜びます♪

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ