2007/06/30 (Sat) ガラスに映る空の青 7

(創作シリーズ:BL。知らない人や分からない人はご注意。)

「随分と猫を被ってたみたいだね」
 斉藤は、胡散臭い笑みを貼り付けたまま俺に笑いかける。…余裕さでは、斉藤のほうが何枚も上手だ。俺のは、脆くて、脆すぎて、突かれれば直ぐにでも壊れてしまうだろう。余裕ぶるほど大変なことは無い。
「さぁ、じゃぁ早速答えてもらおうかな。まずは、ひとつめ」
 頷いた。
「キミは、なんでわざわざ公衆トイレで学ランになんか着替えたのか。着替えるのなんか、家に帰ってからでもいいだろう? これは俺の予想だけど、……陸が居るのを知ってて、わざとおびき寄せた。…なんてのは、どうかな」
 核心、だ。唇を噛む。こいつは、きっと全部気付いてる。斉藤は、腕を組み、さっきとは違う、真剣な眼で俺を真っ直ぐ見据えている。真実を求める、眼。鋭い眼。この瞳からは、……きっと、逃れられない。
「…そう取ってくれて、構わない」
「そう? じゃぁ、ふたつめ。ひとつめを仮定にするとして、話を進めようか。キミが陸をおびき寄せたのは何のためか。どういう感情だかは知らないけど、興味を持ったことは確かだ。興味を持って、そして、おびき寄せて、近づいた。そうすると、キミは何故陸に興味を持ったのか。いや、言い方を変えたほうがいいかな。この学校に来てそんなに間もない時点で、こんなに特殊な方法であいつに近づくほど、強い興味を持つ時間があったか? ……その答えは、こうだ。キミはもっと前から妹ちゃんと入れ替わってて、その間に陸に強い興味を抱いた。」
 首肯。
「そうなると、もっと考えを進めることができる。もっと、深いところまで」
 斉藤はそこで一旦口を止めると、ポケットをまさぐり、タバコとライターを取り出した。そのうちの一本を咥えて、火をつけて、吸う。そうして、長く長く煙を吐き出した。
「…不良」
「悪いね、煙苦手?」
「そういう意味じゃない」
 言うと、斉藤は今までにないほどふっと優しい笑みを浮かべた。その笑みに、一瞬だけ怯む。斉藤は、少ししか吸っていないそれを、どこから取り出したのか携帯灰皿に押し付けて、仕舞った。再び口を開く。
「そこまで考えちゃうと、もっといろんな予測を立てることが出来る。……例えば、ストーカーは実在するのか? ………とか。」
 びくり、と身が竦んだ。斉藤はそれを横目で見て、俯いた。
 そして。

「妹なんて、実在するのか? ……とか。」


〈第八番へ〉
 

***
随分とお休みしていましたが、とりあえずここまで。段々崩れてきました。
あまり色々お話してもあれなので、うーん、ではこれで。

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